Chemchem ya Amani TANZANIA

 

ダルエスサラームで

 タンザニア第一の都市、ダルエスサラーム。人口も多く、貧富の差も大きい町です。ですからバスで移動していても、町を歩いていても、物乞いをする人やストリートチルドレンと思われる子供たちをよく見かけます。貧困層も多く住む町です。と同時に、彼らを対象とした多くの機関やNGOが活動をしている町でもあります。
 
 ダルエスサラームでは4泊したのですが、その間に3カ所の子供を扱う施設を訪問し、話を聞くことができました。

 ひとつはDOGODOGOセンターという、ストリートチルドレンを扱うNGO。ここではストリートチルドレンをいつでも誰でも受け入れる施設があり、食事、洗濯、お風呂、診察、勉強、遊具、カウンセリング、家族相談などのサービスをしているそうです。そことは別に、小学校に通うようになった子供たちの宿泊施設、小学校を卒業した子供たちの宿泊施設があるそうです。
 ここではストリートに慣れてしまった子供たちに対し、施設に入る前に1週間の外出禁止のセミナーとカウンセリングをするそうです。それでもやっぱりストリートに戻ってしまう子はいて、そういう子は無理に連れてきたりせず放っておくと言っていました。(少しずつ話をしたりはするのでしょうが。)ダルエスサラームのようにストリートチルドレンが本当に多い地域では、そうするしかないのでしょうか。

 2つめはクラシニにあるタンザニア唯一の国立孤児院。ここにいる子供たちはストリートチルドレンになった子ではなく、孤児になった子や、家庭に問題のある子で、全員が相談所等を通して連れてこられるそうです。ストリートの生活に慣れた子たちとは違い、マリファナを使ったり夜中に逃げ出す等の難しいケースはほとんどないとのことでした。

 3つめはWAMATOという貧困層の子供と家族を対象にしたNGO。ここでは厳しい生活を送っている家庭に食糧を与えたり、無料の健康診断を行ったり、子供の学費を払っています。成績やその子の頑張り次第で、中学校、高校、技術学校、大学まで面倒を見ています。また、NGO設立当初、小学校のなかった地域に無料の小学校を設立し、現在も運営しています。
 ここではストリートチルドレンは扱っていません。ストリートの生活に慣れた子供たちは大変ですよ、と忠告されました。そういった子供たちは一緒にするとつるんで逃げてしまうから、それぞれに受け入れ先の家を探して別々に更正させていくのがいいのではないか、とアドバイスを受けました。

 モシのストリートに残った子供たちに対し、どのような方法を取るか、今回いただいたアドバイスを参考に考えたいと思います。

 帰りが遅くなった日、ダラダラ(ミニバス)の中から道路脇にたむろして騒いでいる13歳から16歳くらいに見える男の子と女の子の5,6人のグループが見えました。その中の15歳前後ほどに見える少女の一人は1歳に満たない赤ちゃんを背負っていました。彼女は信号で止まった車に歩み寄り、運転手から小銭をもらっていました。
 あの赤ちゃんはちゃんと育っていくのでしょうか。彼らのように大きくなり、路上での生活に慣れてしまた子供たちを救うことはできるのでしょうか。これから彼らはどう生きていくのでしょう。
 
 タンザニアには子供から大人まで手を差し伸べられるべき人がたくさんいます。その中で自分の力は本当に小さくて、全員に手を差し伸べるなんて無理だって分かってはいても、その中から誰かを選び、誰かを淘汰することをしなくてはいけないのは、仕方ないと分かっていても、胸が苦しくなります。一人でも多くの人の生活が改善されるように力になれたらと思っています。

  • posted by naomaru さん
  • 2008-8-12 23:45
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  • コメント数 (2)

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コメント一覧

ありがとうございます

naomaru さん

おっしゃる通り、この世界は一筋縄でいくものではなく、大変だとは思いますが、一人でも多くの人の力になれればと思います。やろうと決めた以上、精一杯やります!!

同感です

純子 さん

  • 純子 さん
  • 2008-11-13 8:15
私も スーダンやリベリアほかの諸国に取り組んでいます
今は世界指導者会議に出席し ちょうど ダルエスサラーム大学の教授らと話していたので
このページにたどり着きました

大変ですが 頑張ってください