Chemchem ya Amani TANZANIA

 

ストリートを選ぶ子ども達

 以前、「子供たちのその後」でお話ししたように、シリは子供たちのために部屋を2部屋借りています。前回お話したとき、残っていたのはジュマ・ネメンス・ガスパ・リチャードの4人でした。

 モシに戻ってきてから、私は週に2,3回、子供たちのこの家に訪ねて行っています。シリは部屋を借りて、寝具を用意して行きましたが、食事は子供たち自身で探しています。ですので行くときはお砂糖、お米、パン、灯油などを持って行っています。私は昼過ぎに行くのですが、いるのはいつもジュマだけで、ジュマと話をして帰ります。

 他の子供たちとは町で物乞い中に出会います。彼らは大抵郵便局付近で物乞いしているので、そこに話に行きます。
 
 今、シリの家で寝泊まりしている子供はジュマとネメンスの2人だけになってしまいました。NGO「MKOMBOZI」の無料教室に通うのもこの2人だけになってしまいました。理由を聞いたら、「MKOMBOZIは遠いんだもん。」「シリの家にはご飯ないし。」とのこと…。シリが借りている家の大家さんのおばちゃんの話では、子供たちに「掃除しなさい」とか「水浴びしなさい」とか言ったのでそれが嫌だったんじゃないかとのことでした。いずれにせよ、無料教室に通うだけの約束で、後は自由、寝る場所だけ与えるという状況で出て行ってしまう子供たちが、私にはまだ理解できません…。
 シリがこれからどうしたいのか知りたくて、メールを2度送ったのですが、未だに返信がありません…。彼女との協力は難しいかもしれません。

 もうひとつ、悲しい報告。Rashidiの家に最後まで残っていたバカリとバラカ。バカリは今もおじいちゃんの家できちんと毎日小学校に通っているのですが、問題はバラカ。
  Evanceの家で始め会ったときは相変わらずで、「中学校でも、技術学校でも何でもいいから勉強したい」と話していました。ので、Rashidiは支援者の女性たちと連絡を取り、バラカを私立の中学校に通わせるための準備をしていました。別れるときに、私たちはバラカに「次の木曜日、また来るんだよ」と話しましたが、その木曜日、バラカは来ず、その後行方が分からなくなってしまいました。
 しばらくして町でRashidiが偶然バラカに会い、Evanceの家に来るように話し、みんなで話をしました。バラカは「家を追い出された。」と話しました。そして今はジュマたちといると話しました。
  Evanceも、Rashidiも、バラカは弟のように可愛がっていて、困ったらいつでも家においでと話していましたし、Evanceは支援者の女性たちが学費を払ってくれないようだったら、自分が知ってる大工にでも教えてもらえるように頼んでやると話していました。しかしバラカはRashidiにも Evanceにも話すことなく、ストリートへ戻っていました。2人はとてもショックを受けていましたが、バラカに洗濯するための石鹸のお金を渡し、「学費が届き次第学校に行くんだから、ここ(Evanceの家)にいるんだぞ」と話して出かけていきました。
 2人になったとき、「何で来なかったの?2人が怖かったん?」なんて聞いてみましたが、バラカは「そんなことないよ?。思いつかなかっただけだよ」と話しました。その後「シリの家に服置いてきたから取りに行ってくる。Rashidiにそう言っといて」と行って出ていきました。そのままバラカは帰ってきませんでした…。
 昨日、町でバラカ・ガスパ・シュクール・リチャードが一緒にいるところに出会いました。一瞬、ショックで言葉が出ませんでした。バラカは服も体も汚れた格好で、すっかりストリートの子供に戻っていました。私は自分の補習校の話をして、いつでも遊びにおいで、とだけ話してみんなと別れました。その日、 RashidiとEvanceもバラカたちに町で会ったそうで、本当にがっかりしていました。支援者の女性たちには、「学費は送らないで」と伝えると言っていました…。もう何度言っても分からない子供たちに時間を費やすのはくたびれたし、これ以上子供たちを救おうとして支払われる支援金を無駄にするのは嫌だからと言っていました。
 
 先日、モヨが入院先の病院で亡くなりました。いろいろありましたので、向こうも私には来て欲しくないだろうと思いましたし、行くつもりもなかったのですが、ママモヨから電話があり、来て欲しいと言われたのでお葬式へ参加してきました。自分でも冷たい人間だな…。と思ってしまうくらい、ちっとも涙が出ませんでした…。

 モヨに頼っていたモシのストリートの子供たちの生活は、少し変わるのではないかと思います。ママモヨも1人では自分の子供の世話で精一杯でしょう。シリがどういった対応を取るのか分かりませんが、私が今の彼らにできることは、ストリートの生活がずっと続けられるものではないこと、ストリートの生活の辛さを教えることではないかと思っています。彼らに今、手を差し伸べるべきではないと思っています。彼らが勉強したいと思えばいつでも歓迎しますが。彼らが本当に助けを必要としたときに、手を貸したいと思っています。

  • posted by naomaru さん
  • 2008-8-13 0:01
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