パトリックは私たちが活動を始めた2007年に、最初に支援が決まった子供たちの一人で、当時は小学校6年生でした。
　父親を2歳の時に亡くし、女手一人で育ててくれた母親も4年生の時に亡くし、すでに結婚していた兄に引き取られました。その兄の生活も厳しく、また、子供も二人いるため、パトリックの学費を工面するのは大変な状況でした。それでもパトリックは成績を落とすことなく、常に上位であったため、学校の先生からの推薦もあり、支援が決まりました。
　その後もパトリックは勉強に励み、中学校に合格。中学校からは里親さんも決まり、同じ里親さんが、ずっとパトリックを支援し続けてくださいました。
　パトリックが通っていた中学校は、キタンダ村の小さな中学校で、教材も全く足りていませんし、先生すら全教科の先生が揃っていない状態です。そんな中でも、パトリックは一生懸命勉強し、常に上位グループに入っていました。
　4年生。進学の可否、進路を決めるための試験を受けたパトリックは、残念ながら自分の満足のいく結果を残すことは出来ませんでした。公立の高校へ進学することが出来ない結果だったのです。ですが、その他の専門学校へは進学できるだけのポイントは取れていたので、校長先生が学校を探してくれました。そして2013年、パトリックはルークワ州スンバワンガ市のRukwa College of Health And Allied Scienceという学校に通えることになりました。
　ですが専門学校の学費は1年で174万5000シル。なんと約10万円です。中学校の学費が約1万円ですので、この金額は私たちも予想以上で正直とても焦りました。これは一人の里親様では到底支払える金額ではありません。ですがこの1年を終えれば、確実に就職が出来ます。ここまで支援し、道が見つかった以上、なんとか支援を続けたい。そこでこれまでにいただいていた様々なご寄付や、その他の収入を充て、なんとか資金を工面することが出来ました。

パトリックの学校がある州はかなり遠く、再会は難しいと思っていましたが、1月のタンザニア訪問時、長期休業中でダルエスサラームの親戚の家に滞在していたパトリックが連絡をくれ、短い時間ではありましたが再会することが出来ました！
その際、成績表などを持参して見せてくれながら、感謝の言葉をあふれるように伝えてくれ、お手伝いをしているだけの私は心苦しいくらいでした。この生の彼の言葉を、里親様や支援くださっている皆様に直接伝えることが出来たらどんなに喜んでもらえるだろうと思いました。それぐらい、彼は感謝をしてくれていました。
ご支援くださった皆様、本当に本当にありがとうございました。

そして今年4月、パトリックは無事卒業試験にも合格し、卒業いたしました。そして就職も無事、決まりました?カタヴィ州ムパンダ市役所の保健省で働くことになったのです。
　正直、学費はギリギリでした。本当に大変ではありましたが、無事卒業・就職して支援を終えることが出来たことは、私たちにとっても本当に励みになりました。2007年から始めた活動ですが、パトリックが記念すべき就職者第一号となりました。このような結果を残すことが出来、私たちも本当に嬉しいです。
　すっかり成長し、インターネットも使えるようになったパトリックは、現在、これまで支援を続けてくださった里親様とメールでのやり取りをすることが出来るようになりました。パトリックはもちろん、里親様にもとても喜んでいただき、私たちもとても嬉しいです。
　そんなパトリックから、私たちと里親様、そしてその他のチェムチェムを支援してくださっている皆様宛の感謝の手紙が届きました。次回、ご紹介したいと思います。

『高等教育サポーター』募集中！！
私たちの願いは、子供たちが中学校を卒業し、高等教育を終え、就職、自立できるまでサポートしていくことです。ですが、高等教育に進学すると、学費は一際高くなり、到底一人の里親様では賄うことが出来ません。
そこで、高等教育サポーター会員（年間3000円）を設けました。
こちらの会費は、進学を決めた子供たちの学費の一部として役立たせていただきます。
会員様には進学した子供からのお手紙、写真をお送りする予定です。
高等教育に合格するには、大変な努力が必要です。努力した子供たちが報われるよう、自立までサポートできるよう、どうぞご支援・ご協力よろしくお願いいたします。

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