Chemchem ya Amani TANZANIA

 

モシのストリート事情

 比較的大きな町モシには、様々な理由で家から逃げ出してきた子供たちや、両親のいない子供たちが集まってきます。しかし同時にNGO施設は増加傾向にあり、子供たちも施設に入りやすくなってきています。
 それでもなお、町に残る子供たちがいます。その子供たちが、私が関わっている子供たちです。
 
 バハティ、ジュマ、リチャード、ガスパ、シュクール、ネメンス、ケルビン、ケルビンの8人。彼らはストリートの生活が長く、ストリートで生きる術を身に付け、ストリートの生活に慣れてしまった子供たち。彼らは全員、施設に入った経験があります。多い子は4カ所の施設を経験しています。しかし全員、施設を逃げ出し、ストリートに戻ってきました。

 Rashidiの家(施設)は彼らのような一筋縄ではいかない子供たちを対象に、少人数集中型の施設を目指して始められました。
 家の決まりは4つ。1.町に物乞いに行かないこと。2.外出するときは行き先を伝え、許可を得てから出かけること。午後6時には戻ること。3.タバコなどを吸わないこと。4.約束を3回破ったら、施設から出ていくこと。
 簡単なことのように思われるこれだけのことが、彼らには出来ないのです。子供たちは全員が3回以上、約束を破っていますが、もうしないと約束して何度も許してきたそうです。しかしいつも、数日後には約束を破るのです。中には落ち着き、きちんと学校に通い始めていた子もいたのですが、そういった子も、ストリートから戻した子供たちと交わることで、その誘惑や、時には脅されて、一緒に町へ逃げ出してしまうのです。これは現在直面している難しい問題です。

 彼らは子供がやる気にさえなれば、いつでも誰でも受け入れたいのです。しかし、「もうしない」という彼らを信じて受け入れても、いつも続かないのです。5回も6回も繰り返している子もいます。これではきりがありません。
 
 現在、彼らは子供たちがいつものお願いをしても、戻さないことにしています。だから今、家には2人の子供しかいません。今月中に、彼らの支援者の女性2人がタンザニアに来る予定なので、彼女たちが来てから、ストリートから抜け出せない子供たちの対応をどうするかを話し合って決める予定です。

Rashidi 自身、彼らストリートの生活に慣れてしまった子供たちを、どうすれば変えられるのか分からなくなってしまったと非常に悩んでいました。彼は子供たちを叩いたこともないし、食事も服も、そして愛情も与えているのです。彼はこれ以上何をすればいいのか分からないと言っていました。

ストリートの生活に慣れてしまった子供たちは、彼ら自身で、ストリートで暮らすことを選択してしまっているのです。彼らは現在、施設で面倒をみるという支援を、必要としていないのです。施設での生活を強制したところで、少年院のように監禁でもしない限り、彼らは何とかして逃げ出してしまうでしょう。今は、彼ら自身で、施設で暮らすことを選択させるまで、何度も何度も話をしていくしか方法が見つかりません。

私は、ストリートで生きていける環境がある限り、ストリートの生活に浸かってしまった彼らが施設で暮らすことを選択することは無理ではないかと思いました。お金も、食事も、服ももらえる。Moyoの家のように寝る場所もある。この状況を変えるしかないと思うのです。外国人観光客の多いモシでは、子供たちは特に観光客からこれらの物を与えられます。ですので、私は観光客が良く泊まるホテルなどに、「子供たちにお金や物をあげないでください。」と書いたチラシでも置かせてもらおうかと考えています。大した効果は無いかもしれませんが、効果はゼロではないと思うのです。私自身、昨年彼らの状況を知る前までは、子供たちにお金を渡したこともありました。ですので、この状況を伝え、知ってもらうことが大切だと思うのです。

現在、私はRashidiとEvanceと話し合うことで、自分がモシの子供たちのために何が出来るのかを考えています。
 自分もずっとここに居られる人間ではないので、現地で活動する、信頼できる協力者が必要です。ですので今は、同じ子供たちを対象としている彼らの活動が同意出来るものであれば、彼らの活動を支援していくという立場を取るのが良いのではないかと考えています。まだ時間はあるので、彼らと共に活動を続け、協力出来るかを考えたいと思います。

 始めに書きましたように、モシではNGOブームと言えるくらい、子供たちを対象にしたNGOがどんどん増えています。そのうちのいくつが、本当に結果を出しているのかというと、1割もいかないのではないかと思います。(先日も、「自分はNGOを運営していて、家で5人の孤児を世話しているから一度来てくれ」と道で話しかけられ、アポ無しで突然行ってみたら、2人の子供を紹介されたのですが、近所の人に話を聞いたらそれは彼の子供だった、なんてこともありました。)ですからバハティたちのような手のかかる子供たちはほったらかしなのです。名前だけのNGO や、活動していても、子供をエサにして得た支援金で私腹を肥やしているNGO。一般の人も「NGO=儲かる」というイメージが強いようです。この国で NGOを名乗っての活動は大変だ、と今更ながら感じています。私はここでは個人的な活動としてやっていく方が動きやすいと思いました。

 子供たちを利用してまで儲けようとする大人たち、そしてMOYOのように、子供たちにまでドラッグを売る人間、それを黙認する社会。モシのストリート事情は簡単ではないと改めて感じています。

  • posted by naomaru さん
  • 2008-8-12 23:27
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