Chemchem ya Amani TANZANIA

 

子供とウソ

 6月14日、シリと二人で話をする機会を持つことが出来ました。そこで2時間弱話をしたのですが、これは簡単な話ではないな、というのが感想です。

 問題は彼女にも、子供たちにもありました。
 
 私はモシにいなかった間のことを、シリの視点からも聞いてみたいと思い、彼女から見たいきさつと意見を聞いたのですが、彼女はなかなか難しい女性でした…。
 
 まず、彼女はスイミングプールに行くことをRashidiたちにダメだと言われました。
 そして、彼女は学校に行っていない子供たちを対象に、家ではなく、町の彼女のオフィスで英語を教えたそうですが、それも学校に行っている子供が羨ましがるからダメだと言われました。
 そしてオレンジジュース販売。これは「子供たちがそんなにお金が欲しいのならきちんと働かせて稼ぐようにしたらどうだ」という彼女の提案でした。しかしこれもRashidiたちにダメだと言われました。理由は彼らの施設の目的はまずはきちんと学校に通わせることであり、小学校も終えていない子供たちがお金を稼ぐ必要はない、ということ。(それ以前に、タンザニアでは小さな子供たちに仕事をさせてはいけないという法律があります。)
 
 どれもきちんとした理由があり、私も賛成なのですが、彼女は自分の提案がことごとく否定されたことが非常に腑に落ちないようでした。彼女は Rashidiたちに「自分は資金面での支援はしないけど、自分のできることはする」と話していたので、「Rashidiたちは私がお金を出さないから私の意見を採り入れようとしないんだ」と決めつけてしまっていました。

 彼女は現在もストリートに残った子供たちを自分の家の廊下で寝かせているそうです。そしてその子供たちがシリに話すことを、シリは100%信じていました。
 子供たちは、Rashidiの家ではご飯をきちんと食べさせてもらえない、とシリに言いました。石鹸などももらえず、服を洗うこともできなかったと話しました。子供たちはRashidiに無理矢理追い出され、もう来ちゃダメだと言われたと話しました。Rashidiはmbaya(悪い人)だと言いました。それらは全て、彼女の中で真実になっていました。そしてシリの中で、「Rashidiは悪い人」に決まってしまっていました。

 私はその後、RashidiとEvanceと話をしました。そして彼らがいないときに、バラカとバカリ(施設に残っている2人の子供)にも話を聞きました。そして彼らは食事もきちんと毎日食べている(朝のchai(紅茶と軽食)はたまに無いことがあるとこぼしていましたが(^^;))し、石鹸等の必要なものもきちんと与えられる、他の子が追い出されたのは事実だけど、それは施設の約束を破り、次やったら追い出すと忠告を受けたにも関わらず約束を破ったからだ、ということでした。そして子供たちは2人とも、Rashidiはmzuri(いい人)だと言いましたし、ずっとこの施設にいるバラカは「Rashidiに出て行けって言われない限り、ここにいたい」と話しました。

 町に残った子供たちと、私も話をしましたが、そのときはRashidiは悪い人じゃないと言いました。ただ「ゲートから出ちゃダメって言われたのが嫌だった」と話しました。(これはRashidiに聞くと、ゲートから出るのは許していて、町に物乞いに行くのを禁止しているんだということでした。)そして私には、それ以外に施設に不満はないと話しました。彼らが何のためにシリにウソをつくのか、私には彼らが何をしたいのか分かりません。同じ彼らを助けたいという気持ちで動いている人間を混乱させて何になるのでしょう…。約束を破って追い出された彼らが、施設に戻るには、追い出された本当の理由を知る Rashidiを追い出すしかないからでしょうか?

 ウソをつくのはストリートに残った子供だけではありません。バラカとバカリもウソをつきました。彼らがRashidiに言われ、町に頼んであったトウモロコシを取りに来た日、彼らはRashidiから帰りの交通費をきちんと与えられていました。町に来たついでに、シリのオフィスに英語のノートを返しに立ち寄り、そして「交通費がないから歩いて帰る」と話しました。トウモロコシを持った彼らを哀れに思った彼女は、彼らに交通費を与えましたが、彼らはそのお金で買い食いをして帰り、それがバレてRashidiにかなり叱られたそうです。

 子供たちはみんな、彼女に「交通費がない」と言えば、お金がもらえること、「何も食べていない」と言えば、何か買ってもらえるということを知っています。「良い施設がない」と言えば、シリが別の施設を作ってくれると思っているのかもしれません。

 シリとRashidiたちは、話し合いが足りていないとつくづく思いました。これ以外にも話が食い違っていることがたくさんありました。彼女は「施設にもう来ちゃダメと言われた」と言いました。Rashidiたちは「プールと、町で英語を教えること、ジュースを売ることをダメと言っただけだ」と言いました。シリは、「Rashidiたちは面倒な子供たちが嫌で追い出したんだ」と言いました。Rashidiは「全員(支援者の女性を含む)で決めた施設の決まりに従っているだけで、約束を破ったから出ていくように言った」と言いました。こんな、一度会って話をすれば理解し合えるようなことがほったらかしなのです。シリは来ちゃダメと言われたと思っているので施設に近づこうとしませんし、Rashidiと話をするどころか、彼を何とかして追い出すことしか考えていないので会おうという気は全くありません。RashidiたちはRashidiたちで「彼女にはもう何を言っても無駄だ」とあきらめてしまっています。「やりたいようにやればいいんだ。ボクらはボクらの信じるやり方でやっていくだけだ」と言っていました。
 
 私は彼女と話した後、ストリートや施設の子供たちと話して思った、「子供たちはあなたを騙すこともあるよ。だからよく考えて、そして子供たちも Rashidiたちもあなたもみんなで一度話をしましょう」ということを伝えたのですが、「ノーラ(Rashidiたちの支援者)たちが来るまで待ちましょう」と言われてしまいました。私は私の意見を全て彼女に伝えました。これで彼女の考え方が変わらないのでしたら、私も仕方ないのではないかと思っています。

  • posted by naomaru さん
  • 2008-8-12 23:28
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